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苦戦が続いたアダストリア「グローバルワーク」が復調

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苦戦が続いていたアダストリアの基幹ブランド「グローバルワーク(GLOBAL WORK)」が復調傾向だ。「2018年春夏は厳しかったが、9~11月の既存店売り上げは前年同期比7%増で推移している」と、太田訓グローバルワーク営業部長。強化品番を決め込み、媒体露出や店頭プロモーションなどの販促面を強化したことが成果につながった。19年春夏に向けての注力ポイントは2つ。生活雑貨を拡充するとともに、アパレルでは強みのベーシックだけでなく、トレンド性も加味した商品を増やす。

 もともとベーシックなアイテムを工場の閑散期に生産することで価格を抑え、提供することを強みとしてきた。しかし、「いい商品を作っていても、それがお客さまにまで届いていなかった」と分析。今秋は強化品番については雑誌への出稿と店頭販促、自社ECでの打ち出し、SNSなどを連動させ、「徹底的に売る」体制にした。

 たとえば、これまでも販売していたメンズの5ポケットのシンプルなパンツは、“モーションテックスキニーパンツ”と命名し、雑誌『ビギン(BEGIN)』に出稿。店頭パネル、ECなどでもアピールしたところ、売り上げは以前の2倍になったという。ウィメンズでも、雑誌『クラッシィ(CLASSY.)』への出稿と連動したプロモーションが奏功した。

 19年春夏は、雑貨カテゴリーでこれまでも販売していた服飾雑貨に加え、旅行用のトロリーケースやポーチ、キャンプ用品などの生活雑貨を増やす。「アパレルだけでは他社との差別化が難しい。本格的に海外に出店する際にも、雑貨の拡充は欠かせない」という。

 併せて、アパレルは従来のカジュアル軸の打ち出しだけではなく、オフィス対応やハレの場など、“オン”シーンに向けた商品をウィメンズ、メンズともに増やす。閑散期に作り込むベーシックカジュアル商品が従来はアパレル全体の7割だったが、それをウィメンズでは5割まで削減。代わって、より短いサイクル(2~3カ月)で生産する期中企画商品、さらに短い期間のQR(クイックレスポンス)商品を増やして、「トレンドファッションの部分にまで手を広げる」。

 特に強化品番とするのは、ウィメンズは4000円以下で提案するきれいめデザインのパンツ、ブラウス、デザイン性を盛り込んだカットソー類。メンズやキッズではグラフィックTシャツなど。

 店舗数は8月末時点で215店。今後1~2年は、「大きく店舗数を増やす考えはない」。既存店の売り上げ拡大による事業の立て直しを進め、「その先で、現在の店舗の平均売り場面積330平方メートルから、500平方メートル以上への拡大を目指す」。